いざという時に力になる介護保険制度とは?仕組みや利用方法を解説

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介護は必要な認知症などになると介護保険を利用した介護サービスを利用することになるでしょう。しかし、いざ介護が必要な状況になってから、自分が介護保険についてあまり知識がないことに気付くかもしれません。

ここでは、介護保険制度の仕組みについて紹介していきましょう。

介護保険制度の目的

介護保険制度の目的を簡単にいうなら、「介護を必要とする人を社会全体で支え合う」ことです。

昔の日本であれば、年齢を重ねて介護が必要になった場合、親の生活を子供や家族が支えるのが一般的でした。しかし、少子化、超高齢化社会、収入の低下による共働きの一般化など、さまざまな理由で家族だけで親を介護するのが難しい状況になってきました。

そこで、社会全体で介護を必要とする人の生活を支えるために2000年4月から施行されたのが介護保険制度なのです。具体的には、介護が必要だと認められた場合は、1~3割程度の自己負担金でさまざまな介護保険サービスを受けられるようになります。

介護保険制度の仕組み

本来なら数千円、数万円の費用がかかるようなサービスをなぜ少額の自己負担金で利用できるのか、他の7~9割のお金はどこから出ているのか不思議に思ったことはありませんか?

介護保険制度を実施するための財源は、50%の税金と50%の介護保険料から賄われています。日本では、40歳以上になると介護保険料の納付義務が発生します。

介護保険サービスを利用する場合は、サービス利用料のうちの7~9割の費用が税金と介護保険料で成り立つ財源から支払われるので、残りの1~3割のみを自己負担金として支払うだけで済むのです。

介護保険サービスの対象者

税金や介護保険料からなる財源を利用する以上、誰にでも介護保険サービスを1~3割の自己負担金で受けさせるわけにはいきません。見境なく税金や介護保険料から7~9割のサービス利用料を賄っていれば、すぐに財源は尽きてしまいますからね。

そこで、以下の条件に当てはまる人のみが介護保険サービスを利用できるようになっています。

  • 65歳以上で、要支援・要介護状態にあると認められた人
  • 40際から64歳で、特定疾病により要介護状態にあると認められた人

サービス利用に欠かせない「要介護度」

介護保険サービスの利用で欠かせないのが「要介護度」という基準です。上でも説明したように介護保険サービスを利用するためには「要介護状態にある」と認められている必要があります。

要介護状態と一言でいっても、実際にどの程度のレベルで介護が必要になるのかは、その人の病気や怪我、体の状態などで大きく変わってきますよね。そこで、介護保険サービス利用時には、「要介護認定」という申請を出して聞き取り調査や医師の意見書などを参考に、「要介護度」を認定しているのです。

要介護度は以下の7段階に分かれています。

  • 要支援1 50,320円
  • 要支援2 105,310円
  • 要介護1 167,650円
  • 要介護2 197,050円
  • 要介護3 270,480円
  • 要介護4 309,380円
  • 要介護5 362,170円

要支援1が最も必要とする介護の量が少なく、要介護5が最も介護を必要とする状態となっているため、要介護度によって利用できる介護保険サービスの種類に違いがあります。

要介護度の横に書かれている金額は、1ヶ月あたりの介護保険サービスの利用上限額です。例えば、要支援1であれば毎月50,320円分の介護保険サービスを利用できます。もしも、1ヶ月で50,320円分の介護保険サービスを利用したら、そのうちの1割(人によっては2~3割の場合もあり)の自己負担金を支払うだけで済みます。しかし、利用上限額を超えて利用した介護サービスについては、全額自己負担となってしまうのです。

つまり、要介護度が高ければ高いほど、利用できる介護サービスの「種類」も1ヶ月あたりに利用できるサービスの「量」も多くなるというわけですね。

介護保険サービス利用までの流れ

介護保険サービスを利用するまでの流れは、以下のとおりです。

  1. 申請:市区町村の窓口や地域包括支援センターで要介護認定の申請
  2. 作成:要支援1~2であれば「地域包括支援センター」、要介護1~5であれば「居宅介護支援事業所」でケアプランを作成してもらう
  3. 開始:ケアプランに沿って、介護サービスの利用を開始

自分の親が認知症になってしまった場合は、まずは市区町村の窓口や地域包括支援センターで要介護認定を申請することが、サービス利用の第一歩と鳴るわけですね。

まとめ

介護保険制度や介護保険サービスは、介護を必要とするすべての高齢者にとって大きな支えとなる制度であり、自分の親が認知症になった場合も例外ではありません。

親が家族が認知症を発症した場合、生活の中での危険度も増すため仕事を辞めて24時間体制で介護をするという方も珍しくありません。仕事をやめれば当然収入は減り、24時間介護につきっきりになることで肉体的・精神的な負担も増加します。

しかし、介護保険サービスを利用すれば比較的負担の少ない費用で、自分の代わりに介護職員に介護をしてもらえたりするので、使い方によっては働きながら在宅介護をするといった生活も実現できます。

親が家族が認知症を発症した場合は、まずは要介護認定の申請を出して、スムーズに介護保険サービスを利用できるようにしていきましょう。

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