年金だけではつらい!老後を見据えた資産形成とライフプランニング
誰しもが自分や家族の老後の生活資金について考えなければならない時代に突入しています。ことあるごとに起こる年金額の引き下げや物価上昇などにより、年金だけでなに不自由なく生活できる時代ではなくなりつつあります。これからは老後を迎えるにあたっては、計画的に資産形成を行っていく必要があります。
ここではシニア世代の老後に向けての資産形成とライフプランニングに必要な考え方について考えていきたいと思います。
これからでも遅くない!資産形成とライフプランニング
始めに「この年からそんなことを始めても……」などと考えるシニア世代の方にこれだけは断言しておきたいのが、資産形成はシニア世代からでも全く遅くないということです。
資産の運用や形成はライフステージごとに適したやり方があり、シニア世代ならばシニア世代に適したやり方があります。逆に、若い頃から資産形成を意識して行っていたとしても、シニアになればシニアなりの身の振り方が必要になるということです。
また、若い頃から老後資金や保険について、本気で向き合って考えられる人など中々いません。それらのことが現実的な問題として近づく中高年からシニアこそ、老後を見据えた資産形成を行う絶好のタイミングなのです。
いずれにせよ、資産形成はしないよりもした方がいいことは間違いありません。始めるのが遅いことを悔いても仕方ありませんから、少しでも老後の生活を良いものにするために今このタイミングで始めてみましょう。
マネーリテラシーを身につけよう
資産形成にあたって考えることはたくさんありますが、まず第一にお金に対する理解力、マネーリテラシーを身につけることが何より重要であると考えます。年齢層が上がれば上がるほど、お金について詳しく知ることが意地汚いことのように考えてしまう方も増え、それがシニア層をマネーリテラシーから遠ざける要因になっています。しかし、老後も健康的で文化的な生活を維持するために、マネーリテラシーは不可欠なものです。
なぜマネーリテラシーが必要なのか
なぜお金そのものではなく、お金についての理解が必要なのかと考える方もいるかもしれません。しかし大人はたびたび大きなお金の動く意思決定を行う必要に迫られますから、その時に判断基準となるベースの知識である、マネーリテラシーが必要になるのです。
自分の生き方に責任を持つため
人生には様々なライフイベントがあり、それに伴って何かとお金が必要となります。例えば子供が生まれれば養育費も教育費用もかかりますし、マイホームを取得するならたいていの場合は長期ローンを組むことになるでしょう。
突発的に発生するイベントももちろんありますが、節目節目で迎える大きなイベントは来たる時期がある程度決まっていたり、自分の意思で起こしたりするものです。
そのようなイベントを迎えようとするのに、どの程度のお金が必要になるのか、どのような税制上の制度を使えるのかなどについて、全く知らないままでいることは責任のある態度とは言えません。
お金について知ることは、自分の行動、ひいては生き方に責任を持つことの一端でもあるのです。
国が用意する制度を活用するため
国は基本的にお金が余っている人から税金を徴収し、お金が足りない人に充当するように税制を運用していますから、大きな出費が発生するイベントがあれば、大抵それに対応する控除などの制度が用意されているものです。
しかしながら、口を開けて待っていても国の方からお金を撒いてくれるわけではなく、自分で調べて行動しなければそのような制度を受けることはできません。
最近は特に、年金額を引き下げる代わりにNISAなどの非課税や控除の特例を設けるなど、自分で資産運用する意思がある者を優遇するという姿勢を強めています。
民法などの私法において「権利の上に眠るものは保護されない」という言葉がありますが、お金についても同じです。こちらがしっかりアンテナを張って、リテラシーを身につけて行動に移さなければ、貰えるものも貰えないのです。
マネーリテラシーを学ぶのは難しい?
お金に関して知るべきことは非常に広く、これまで面と向き合ったことがない方にはとても難しいものだと思われることでしょう。
しかし、マネーリテラシーに関する知識や技術は生活と密接しているものです。決して教本を何冊も積み上げて勉強するようなものではなく、興味を持って少額から資産運用を試してみたり、自分の払っている税金についての控除などを調べてみたり、そのような行動がマネーリテラシーを形成していきます。
あまり肩肘を張らずに、まずはお金に関して興味を持ってみるところから始めてみましょう。
ライフステージを再確認しよう
次に、ご自身の今迎えているライフステージについて再確認し、現状を正しく把握しましょう。人生の中で今自分がどこにいるのか、ということはお金を考える上でも非常に重要です。
今後のライフイベントに備える
お金がかかる人生の3大イベントとして「子育て・教育」「マイホーム取得」「老後の生活」がよく語られますが、当然ながら実際はもっと細かく、また人によって様々なライフイベントが発生するものです。
そこで、今のライフステージではどのようなイベントが起こるのか、今後備えるべきイベントは何か、などを具体的に列挙してみましょう。備えるべきイベントがわかれば、それに必要な資金も見積もることができますし、資産形成の方向性も見えてきます。
中高年以降の資産運用の考え方
中高年以降でお金がかかるイベントはなんと言っても老後の生活ですから、その資金準備に頭がいっぱいになってしまいがちです。しかし、この年齢における資産運用ではいくつか注意しなければならないことがあります。
高齢になり働ける年数が少なくなってくると、リタイアまでに見込める総収入が限られてきます。そんな中で大きな損失を出してしまうと、以降の人生でその穴を埋めるのが困難になってしまいますから、一般的にリスクの許容度が低くなります。いくらリターンの期待値が高くても、リスクも大きい運用法は適していません。
また、流動性についても考慮する必要があります。歳を重ねるとどうしても病気にかかったり、時には手術をしたりすることもあり、急にまとまったお金が必要になるものです。そんな時に、すぐに現金化できなかったり、満期以外の解約に違約金が発生するような金融商品しかないのでは困ります。一般的に流動性の高さと利回りはトレードオフの関係にありますが、年齢に応じて徐々に流動性の高い資産にシフトしていく必要があるでしょう。
ライフステージに沿った資産運用計画を!
このように、中高年〜シニアというライフステージにおける資産運用計画には、それまでのステージとは異なる考慮すべき点が出てきます。元々資産運用計画は画一的なものではなく、自身の年齢・環境に合わせて柔軟に調整していくものですが、中高年以降は大きくステージが変わり、適する資産運用法も全く異なったものとなります。
ですから、なんとなく巷で流行っている景気のいい話に乗るのではなく、ご自身の今のライフステージをしっかり把握し、それに沿った資産運用計画を立てましょう。
できることから一つずつ始めよう
お金を貯めることは一朝一夕にはいかないように、お金について知ることも決して簡単ではありません。それに現代は様々な情報にあふれていますから、全てを学ばないといけないと考えてしまうと途方もない作業のように感じてしまうでしょう。
ですが、決してそんな大仰なことが求められているわけではありません。今の生活やこれからの生活を一つずつ良くしていく、それを積み重ねていくことが資産形成につながっていきます。
身の回りのお金・金融に一つ興味を持って調べてみること、これからのライフプランについて家族で話し合ってみること、そんな手の届くところから一つずつ始めていきましょう。
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