住宅型有料老人ホーム(民間老人ホーム)の特徴は?入退去時の費用についても!

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少子高齢化社会となった現代の日本では、当然のことですが、老人ホームや介護施設などの需要が年々高まりつつあります。

そんな日本にはいろんなタイプの老人ホームがありますが、今回は民間老人ホームの一つである住宅型有料老人ホームの特徴と費用についてまとめて解説したいと思います。

民間老人ホームとは?

  • そもそも民間老人ホームとは何か?
  • 民間老人ホームがあるのなら、民間以外の施設もあるの?

そんな疑問を持たれる方もいらっしゃると思うので、順に説明していきたいと思います。

民間老人ホームとは、言葉の通り民間の企業が運営している有料老人ホームを指します。住宅型有料老人ホームとは、その中の「住宅型」ということです。

民間以外の施設は公的な施設、つまり社会福祉法人または地方自治体が運営する介護施設があります。公的施設も無料ではありませんが、民間施設より低価格で入居が可能なので、当然人気でなかなか入居できないのが実情です。

結果的に多くの方々が民間施設を利用することになるのですが、今回ご紹介するのは、その民間施設の一つである「住宅型有料老人ホーム」についてです。

住宅型有料老人ホームの特徴は?

入居対象やサービスについて

住宅型有料老人ホームは、住宅型の民間老人ホームですが、 以下の方が入居対象となります。

  • 60歳以上で自立可能または、軽度の要介護の方

基本的な食事、洗濯、清掃などの家事における生活上のサポートは受けられますが、介護サービスは提供されていないため、要介護の場合は介護サービスを追加で契約する必要があります。

介護サービスを受ける場合は、在宅介護同様に外部のケアマネージャーやホームヘルパーと個別契約をする形になりますが、民間老人ホームの多くはデイサービスや居宅介護支援、訪問介護事業を行う事務所も併設しているので、追加料金で介護も受けられる老人ホームと考えて良いでしょう。

また基本的な設備としては以下が想定されます。

  • 共同設備:リビング、食堂、浴室、トイレなど
  • 個室:各部屋

他にも、施設によっては理美容室、健康管理室、売店またはカラオケ、園芸、アトリエ、麻雀卓、図書室などの趣味設備があり、機能訓練室、フィットネス用具、プールなどの健康設備まで揃えている施設もあります。

さらにゲストルームや駐車場、イベントホールなど、施設が提供するサービスによって様々な設備があります。

住宅型有料老人ホームのメリット!

住宅型有料老人ホームの一番の特徴はレクリエーションサービスが充実であることでしょう。レクリエーションとは、疲れを癒し生活に活気をもたらすための休養や楽しみのことですが、そのための様々なイベントやサークル活動を用意している施設が多数あります。

例えば、健康や痴呆防止のために折り紙などの工作、手芸、漢字やことわざの当てゲーム、計算、カラオケ、体操など、脳と身体を使う活動が中心となっています。

他にも囲碁や将棋、生け花、茶道などシニアの方が楽しめる趣味やゲームを採り入れての企画イベントもあるので、同年代の人達と一緒に余暇を楽しむこともできます。

また、同じ民間施設の中でも介護付きの他施設に比べて料金が安いので公的施設に入れない場合、特別な事情がない限り、一番に検討されるのは住宅型有料老人ホームです。

住宅型有料老人ホームのデメリットは?

とても便利で快適な環境のように思えますが、対象条件にあるように、基本的には自立した生活が可能な方が利用しやすい環境であるため、重度の要介護状態だと場合によっては個別の介護サービス契約では対応しきれないこともあり、仮に入居したとしても途中から住めなくなるケースも考えられます。

また、要介護状態で入居を考えた場合、当然その分の費用がかかるので費用が割高になることがあります。

たとえ入居時は介護が必要なくても、途中から介護が必要になることは十分に考えられますので、将来を見据えた上で入居を決める必要がありますね。

 住宅型有料老人ホームは、施設ごとに設備や提供サービスが大きく異なるのも特徴の一つなので、検討する際は複数の施設を比べて、一番適していると思われる施設を選ぶことが望ましいです。

パンフレットやホームページで情報収集し、可能なら直接施設を見学してから決めると良いですね。

住宅型有料老人ホームの費用について

住宅型有料老人ホームの費用の内訳は基本的に「家賃」、「施設管理費」、「食費」となりますが、介護が必要な場合は「介護費」まで含めて費用となります。

入居時は、入居一時金と毎月の利用料を支払うことになりますが、こちらには介護費用は含まれていません。介護費用も毎月契約ごとに支払いますが、その際介護に必要な日用用品(オムツなど)はまた別途かかります。

入居一時金とは?

入居一時金は有料老人ホームに入居する際に必要な初期費用のことで、民間老人ホーム特有の料金システムです。賃貸で例えるのなら敷金・礼金のようなものです。

施設によって入居一時金が0円のところもあれば、高いところは数千万円までかかるケースもあります。設備やサービスが充実であればあるほど、入居一時金が高くなる傾向があります。

因みに0円の施設は、入居一時金が掛からない代わりに月額費用が高いことがしばしばありますが、入居一時金が0円だからと言って必ずしも、月額費用が高いとは限りません。設備やサービスによって違いますし、民間運営ですからそれぞれの施設が定めるもので、ある程度の相場はあるものの絶対的な基準や決まりがあるわけではないからです。

現在日本には、入居一時金を設定していない民間老人ホームは1割程度なので、基本的に入居一時金は掛かるものと考えたほうが良いのかも知れませんね。

退去時に入居一時金の返金はある?

入居一時金を設けている施設は、途中で退去することになった場合などは高額のため、入居期間による返金規定を設けている施設もあります。

一般的に償却期間と呼ばれているのですが、入居期間に応じて、償却となった入居一時金の一部は、退去時に返金されます。

但し、退去時における入居一時金の返金規定については、施設によって様々なので事前に確認しておく必要があります。

月額費用の相場は?

入居一時金同様に月額費用も施設によって大きく異なります。安い所は15万円前後から月に60万円、70万円かかる施設もあるので、入居者の希望と予算に合う施設を探すほかありません。

もし介護サービスを利用する場合は、保険での自己負担率(1割~2割)によって追加で1万円前後~8万円前後の介護費用がさらに掛かるので、介護サービス契約有りで入居する場合は安く見積もっても月20万円は掛かると思って頂いたほうが良いでしょう。

因みに設備やサービスの他、都市部など施設の立地やアクセス条件が良い場合も費用は高くなります。

費用の支払い方法は?

一般的に以下の支払い方法があります。

  • 一時金方式(全額前払い):終身に渡って掛かる費用を一括で前払い。
  • 一部前払い、一部月払い:終身に渡って掛かる費用を入居一時金と月額費用に分けて支払う。
  • 月払い:入居一時金がなく、月額費用を毎月支払う。

これまでは主に「一部前払い、一部月払い」と「月払い」について説明しました。しかし中には、全額一括前払いができる施設もあり、あるいは上記のいずれかで支払い方法を選べる施設もあります。

補足:サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

もう一つ民間の老人ホームで、「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」というものがあります。こちらも高齢者を居住対象者とする施設利用において安否確認や生活相談サービスなどの簡単なサービスがついている民間運営の住宅施設です。

有料老人ホームと違う点として、サ高住は居室や共用施設に対する利用権がなく、契約はあくまで賃貸借契約です。有料老人ホームを分譲マンションとするならサ高住は賃貸マンションのようなものとして考えることができます。

サ高住には安否確認や生活相談などのサービスがありますが、内容は基本的にそれほど労力や手間のかからないものとなっています。より手厚い介護サービスや食事サービスなどの生活支援サービスを受けたい場合は別途契約する必要があります。

これらのサービスは基本的に施設には付いておらず、外部のサービスを受ける形となります。

サ高住に入居するとお金はどれくらいかかるの?

通常利用だと月額10~20万円程度ですが、外部サービスを多く使えば使うほど当然高額になっていきます。

まとめ

以上、民間老人ホームの住宅型有料老人ホームの特徴と費用について要点をまとめてみました。

今回ははじめて老人ホーム、特に住宅型を検討される方のために最低限の情報だけをまとめてあります。こちらの情報を元に、入居者の希望と予算に見合う施設をリストアップして最終的に入居する施設を決めるという段取りを家族で相談して決めれば、きっと良い施設に巡り合うことでしょう。

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